『プログレッシヴ・インターナショナル』2024年10月28日
要約
〈パレスチナのためのエネルギー禁輸〉[Energy Embargo for Palestine:イギリス]、〈パレスチナのための千人の若者たち〉[Filistin İçin Bin Genç:トルコ]、〈パレスチナのためのグローバルなエネルギー禁輸〉[Global Energy Embargo for Palestine:アメリカ]の三団体は、世界中のグループに対して、行動を起こし、バクー・トビリシ・ジェイハン[BTC]石油パイプラインを通じてイスラエルのジェノサイドに燃料を与えることに加担しているアクターに圧力をかけるように呼び掛ける。
イスラエルはその石油の約30%を、BTCパイプラインを通じてアゼルバイジャンから受け取っており、その石油を用いることで、ガザでのジェノサイド(それはいまやレバノンにまで拡大されつつある)を実行する戦争機械に動力を与えてきた。油田とパイプラインは、大半が[イギリスの化石燃料企業である]BP社によって所有されており、二番目に大きな株主はアゼルバイジャンの国有石油企業であるSOCAR社だ[日本の伊藤忠商事とINPEXもこのパイプラインに出資している]。BTCパイプラインの終着点であるトルコに着くと、石油は船舶輸送でイスラエルへと送られる。
私たちはイスラエルに対するエネルギー禁輸を要求する国際キャンペーンを開始したが、そこで焦点を当てているのは、BTCパイプラインおよびその二つの主要な企業アクターであるBP社およびSOCAR社だ。私たちは、世界中のパレスチナに連帯するグループ、気候正義と社会正義を求めるグループに対して、このサプライチェーンを通じてイスラエルのジェノサイドへの燃料供給に加担しているアクターに、圧力を加えることを呼びかける。その具体的な内容は、アゼルバイジャンで開催されるCOP29の十二日間のあいだ、以下の三つの主要なターゲットをめぐって動員を行うことだ。そのターゲットとは、アゼルバイジャン・トルコ大使館、あなたの地域にあるBP社・SOCAR社のオフィス、そしてBP社およびSOCAR社とパートナーシップを結ぶ機関である。
BTCパイプラインについてのまとまった分析については、〈パレスチナのためのエネルギー禁輸〉による最新の調査レポートを読んでほしい。[日本語版はこちら]
国際キャンペーンについて
これは、〈パレスチナのためのエネルギー禁輸〉、〈パレスチナのための千人の若者たち〉およびパレスチナ人主導の〈パレスチナのためのグローバルなエネルギー禁輸〉によってコーディネートされた、国際キャンペーンだ。ここでは、サプライチェーンに対して複数のアプローチ(経済的なもの、物流に関するもの、政治的なもの)が採用されるが、最終的な目標は、これまで通りのビジネスのコストを上昇させることによって、イスラエルへの石油供給に対してインパクトを加えることだ。このキャンペーンは、複数の段階に分かれている。第一の段階では、この11月にアゼルバイジャンの首都バクーで開催されるCOP29に特に焦点を合わせることで、イスラエルのジェノサイドへの石油供給を終わらせようという呼びかけを一般に普及させることを目指す。
私たちは、圧力をかけるべきいくつかのポイントを特定しつつある。第一のものは、BTCパイプラインの終着点であり、石油がそこからイスラエルへと送られるトルコ国家である。トルコのエルドアン大統領は、西側のアクターおよびパレスチナにおけるシオニズムのジェノサイドを批判してきており、「トルコは過去十か月で4万人の生命を犠牲にしてきたイスラエルの蛮行を直ちに終わらせるべく、もちうる力のすべてを行使してきた」と主張した。しかしながら、イスラエルへのエネルギー輸出に関する規制は、これまでまったく行われてきていない。トルコは、パレスチナの支援国家であるというPRイメージを頼みにしている。トルコのグループは、こうしたトルコの政治圏における矛盾をうまく利用することができるし、私たちは国際的なグループに対しても、トルコ政府がイスラエルへの石油供給を停止するよう要求することを求める。
圧力を加えるべき別のポイントは、ジェノサイドへの加担を暴露することによりBP社を孤立させることであり、その評判や社会的ライセンスを標的にすることだ。SOCAR社もまた、そのパートナーシップ機関を通じて標的にすることができる。他の経路としては、国際的な物流への圧力がある。たとえば、石油企業はイスラエルにアゼリー石油を輸送する船舶を以下の企業からチャーターしている――オイルマール社(アラブ首長国連邦)、ペトラコ社(スイス)、SOCAR社およびその子会社のSOCARトレーディング社(アゼルバイジャン)、BOTAŞ社(トルコ)、ヴィトル社(スイス)、そしてグレンコア社(スイス)。
COP29
第一段階は、COP29をめぐる世論喚起によってキャンペーンを一般に普及させ、ジェノサイドにいたるBTCパイプラインのサプライチェーンに意識を向けさせることだ。私たちはあらゆるグループに対して、バクーでのCOP29の12日間――2024年11月11日(月)から2024年11月22日(金)――に、調整中のアクションに参加し、コミュニケーションを生み出し、サプライチェーンを妨害することを呼びかける。批判者たちは、今回のCOPを「BP社のCOP」とあだ名してきたが、それは、その実現のためにBP社とSOCAR社の関与があったからだ。アゼルバイジャンのエネルギー大臣であるムフタル・ババエフは、SOCAR社の元エコロジー副議長であり、同社で26年間勤務してきた人物だが、COP29の議長を務めることが公表されている。さらに、アゼルバイジャンにおけるBTC石油パイプラインのロビー活動とイラク侵攻後の同国におけるBP社の操業に関与したトニー・ブレアが、今回の気候サミットの運営を補助しようとしてきた。私たちはCOP29を、BP社とSOCAR社が「操業の社会的ライセンス」を拡張するための新たな重要地点として捉えている。パレスチナにおけるジェノサイドとエコサイドに燃料を与えているにもかかわらず、自社がグリーン・エネルギーに貢献しているのだとするBP社とSOCAR社のナラティブに、私たちは介入しなければならない。
キャンペーンのサポート方法
COP29の十二日間のあいだ、私たちの国際キャンペーンへのサポートを求めるその方法は以下の通りだ。
- 国際アクション日にアクションを主催する。
11月11日:グローバル・アクション日に合わせて、あなたの地域のトルコ大使館ないしアゼルバイジャン大使間の外でデモンストレーションを行います。これは国際的にコーディネートされ、トルコ・アゼルバイジャンの両国家がイスラエルに燃料を与えていることに抗議し、トルコに対してイスラエルへの石油供給を終わらせるよう要求することになります。
11月16日:あなたの地域のBP社ないしSOCAR社のオフィス、あるいはそのパートナーシップ機関の前でデモンストレーションを行います。こちらも同様に国際的にコーディネートされ、さまざまなグループがすべて、BP社とSOCAR社の関連機関を標的にすることになります。あなたの地域の機関を探すのにサポートが必要な場合は、このアドレスに連絡してください:stopfuellinggenocide@gmail.com
2. 私たちの国際アクション日以外でアクションを組織する。
もし11月11日と11月16日以外でさまざまなアクションを組織しようと思っている場合は、以下のターゲットに焦点を当てるように世界中に呼びかけます。①トルコとアゼルバイジャンの大使館。②BP社とSOCAR社の本社、支社、子会社(とくに、SOCAR Trading社とBP exploration ltd.)。③BP社とSOCAR社の社会的ライセンス:雇用求人、求人フェア、そのオフィス(+SOCAR社のオフィス)と教育・文化機関における両社のプレゼンス。
3. デジタルおよび物理的なコミュニケーション
- 意識を啓発するためのポスターやステッカーを作成する。
- BTCパイプラインのサプライチェーンをターゲットとすることの重要性を説明する情報グラフィックやツイッターのスレッドを作成する。
- ソーシャル・メディアで参加するために、なんらかのアクションを写真や映像として記録する 。
コーディネート
あなたのグループが、公共的なアクションをコーディネートしたりデジタル上のコミュニケーションを作り出したりすることでこのキャンペーンをサポートしようとしている場合は、以下のアドレスから私たちに知らせてください。stopfuellinggenocide@proton.me
もし連絡先が分かれば、Signalで遠慮なく連絡してください。キャンペーンに関する質問には喜んでお答えしますし、必要な場合はより多くの情報を提供します。
とくにイギリスとトルコでのアクションに関しては、以下のグループにメールしてください。
energyembargoforpalestine@gmail.com (イギリス)
filistinicinbingenc@gmail.com (トルコ)
あなた、ないしあなたのグループがCOP29に参加する場合は、以下にメールしてください。